Beads!
世界的に人気のあるビーズですが、意外にその歴史は知られていません。
私が実際に見たビーズの中で一番古いものは、
古代エジプト展で見た紀元前1352〜1336年(新王国時代 第18王朝)
に作られた襟飾りの花形ビーズです。
マーガレットを形どったとても可愛いビーズで、今でもじゅうぶん通用するデザインでした。
西洋史から見たビーズの歴史
・語源
1951年10月、ギリシャのミケーネの古代の墳墓の発掘調査で多くの人骨と副葬品が出土し、
金銀をちりばめた仮面の他に、紫水晶の数珠球が発見されました。 この直径1センチほどの玉にはミケーネの王族らしい肖像が
彫られていて、驚くほどその技術は高く、これらの出土品の年代は紀元前1500年〜1600年のもの
だったということです。
ビーズの語源は、アングロサクソン語の「祈る」という言葉らしく、 数珠とは、念珠のことで、祈りの回数を数えるために用い、
一度祈りを唱え終わると珠を一つ下へおろす習慣があったといわれています。 このことからビーズは、祈りそのものをあらわす言葉になったと言われます。 ギリシャで発掘された数珠球は紫水晶だったので、後のビーズと呼ばれる装飾的なものの原型であったとも考えられます。
西洋の服飾史によると、紀元前二世紀以前のギリシャの時代に、ネックレス・イヤリング・天然石のビーズ・カメオなどの装身具があったと書かれています。
現在使われているビーズの材質は、ガラス・天然石・プラスチック・陶器・メタル等です。
中でもガラス、主にクリスタルガラスがよく使われ、入手の便利さから世界各地で製造され発達してきました。 いつ、どこで誰がその製造を始めたかは特定できないようですが、およそ3500年〜4000年以上前からビーズはあったのではないかと一般に伝わっているようです。
主原料のガラスが宗教的なものとしての使用から、人々の日常生活の器として行きわたるようになったのは、ローマ時代のローマングラスと呼ばれたものだったようです。 その直系としての、ベネチアングラスの進歩は、人々の装飾の材料としてのガラスの価値を飛躍的にすすめたものであったと思われます。
こうした状況のなかで、1291年、政府の保護という名目で、ベネチアンガラスの製造に拘わる人々を、強制的にムラーノ島に移住させて、この地でガラスの加工技術の新しい技法
を開発し、やがてイタリアのルネッサンスの風に乗り、15、6世紀にヨーロッパを始め、世界に装飾的にも優美な名品を送り出し
ました。
現在ガラスで作られるビーズは3ミリや4ミリの小さなもの
から、ソロバン形・ダイヤモンドカットのようなものまでありますが、それが以後、世界の各地で広くビーズが作られ、人気を得るようになった要因のようです。
14世紀から16世紀にかけての時代は、ガラスの加工技術の発達により、ビーズが現在のように一般の人々に用いられ始めた時期のようです。
スワロフスキー
スワロとも呼ばれている、アクセサリー作りには欠かせないスワロフスキーのビーズ。
オーストリアのスワロフスキーT世は、1892年にストーンのマシン・カットを開発、これによりジュエリーストーンの大量生産が可能になり、スワロフスキー社を1895年チロル・ワテンズに創立し
ました。 フルカット・クリスタルの世界的なメーカーとして、そのスワロフスキー・ビーズは今日、透明度と光の屈折度が最も高い最高級品質を誇っています。 1950年に開発された、オーロラと呼ばれるビーズは世界中にセンセーションを巻き起こしたといわれています。
ファイヤーポリッシュ
通常 ファイヤーポリッシュと呼ばれるビーズは、
チェコのファイヤーポリッシュビーズをさしています。 このビーズは、チェコのボヘミアングラスの伝統を継ぐ地場産業の工芸品で、一社で製造されているわけではなく数十社で
作られています。
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